北岡大使、地方省の招待でエストニアの農業事情を視察 (その3: アンドレ・チーズ・ファームとエー・ピーム訪問、そしてラウンドテーブル・ディスカッション)

令和3年9月22日
「アンドレ・チーズ・ファーム」工場視察
同社製品の試食
9月21日から22日にかけて、北岡大使は、エストニア政府地方省の招待によりツアーに参加して、エストニアの農業事情を視察しました。
大使館で経済を担当する重成書記官が同行。
ツアーの二日目は、早朝投宿したオテパー市を出発して北東に進むこと45分、タルトゥ県カンビャ町にある「アンドレ・チーズ・ファーム」の訪問で始まりました。
一行は創立者のエリカ・パーブス女史の出迎えを受けて、まずファームに関するブリーフを受け、工場内の視察を行った後、バスでファームのショップに移動して、試食とショッピングを楽しみました。
乳牛390頭と小規模ですが、6年前に全く知識がゼロの状態からチーズの生産を開始したファームの製品は、数々の国際的なコンペでの受賞に輝いており、シンガポールなどへの輸出も行われています。
「成功の秘密などない。バクテリアを変え、熟成期間を変え、少しずつ改良を重ねて今に至った」と語るパーブス女史の言葉が大使にとっては大変印象的でした。
試食したチーズは若いチーズも、熟成したチーズも大変美味で、数多くの受賞歴にも納得の出来栄えでした!

その後一行は北西に進むこと1時間15分、ヨゲヴァ郡ポルツァマー町にある、ミルク生産と乳製品の製造でエストニア最大の規模を誇る酪農協同組合「エー・ピーム(E-Piim Tootmine。エストニア・ミルク生産)」を訪問。
北岡大使にとっては、昨年9月に引き続き2度目の訪問となります。
一行は理事長のマーカス・ムラカス氏の出迎えを受けて、同氏よりエストニアにおけるミルク生産の現状、さらに「エー・ピーム」の歴史と現状に関するブリーフを受けました。
「エー・ピーム」のチーズは味が大変日本人好みで、大使も大好きですが、過去5年間で対日輸出額は何と6倍に上昇!
生産量を増大させるべく、現在エストニアの中心にあるパイデ市に新工場を建設中です。
その後一行は、パッケージングのために日本の機械が利用されている、エストニアらしく整然として清潔な工場内を視察。

引き続き一行は付近の会議施設に移動し、ムラカス氏、エストニア農業・商業会議所の理事を務めるメーリ・リンドサール女史、そして地方省次官補のシーム・ティーデマン氏によるラウンド・テーブル・ディスカッション、「エストニアのミルク製品輸出の方途」を聴講しました。
ムラカス氏よりは、EU域外への輸出に困難が伴うこと、他方でEUとお互いに基準を認め合っている日本への輸出が順調なこと、などの発言がありました。
大使は「エー・ピーム」の新工場の建設が本年7月に開始され、2年間で竣工するとの報に接し「対日輸出のさらなる拡大につながる重要なステップである!」としてムラカス氏に祝意を表明。
昨年既にお目にかかっている「エー・ピーム」CEOのマルグス・レーク氏より、その場で新工場の建設開始式典への招待があり、大使を喜ばせました!
「エー・ピーム」におけるブリーフ
レーク「エー・ピーム」CEOとともに
ラウンド・テーブル・ディスカッション出席者とともに