松村之彦大使着任の挨拶

令和3年11月17日
儀仗隊による敬礼
信任状の捧呈
皆様初めまして、このたび日本国特命全権大使として着任致しました松村之彦と申します。
本日無事にカリス大統領に信任状の奉呈を行ないました。
 
今般、日本・エストニア友好100周年の記念すべき年に大使として赴任することになり、大きな喜びを覚えております。
私は民間企業に約40年間勤務した後今回の大使を拝命しましたので、初めてのことに戸惑いもありますが、企業での経験も活かしつつ、日本とエストニアの友好関係の強化とエストニア・日本双方の魅力の発信に努めてまいります。
 
エストニアは1991年の独立回復以降僅か30年にして世界有数のデジタル・サイバー先進国としての揺るぎない地位を築き上げると共にその成長を支える高い教育レベルを誇っています。OECDが各国のデジタル進捗度を査定したEGDI(E-Government Development Index)では世界3位、学童の学習到達度を計るPISAではOECD加盟国の中でトップクラスにあります。
この約1年半、世界はCoronaに翻弄され続け、人々の生活や働き方は大きな変革を余儀なくされましたが、一方でITを活用することの重要性は格段に増しており、最先端を走るエストニアのプレゼンスが益々大きくなることは間違いありません。
 
今年は東京オリンピック・パラリンピックの年でもありました。
エストニア選手団もフェンシングでの金メダル獲得など目覚ましい活躍をされましたが、私は偶々テレビで観ていた男子マラソンのフォスティ選手の走りに特に感銘を受けました。
暑くて高湿度の過酷なコンディションで100人強の参加選手の内約3分の1の選手が途中棄権する中、ベテランのフォスティ選手が疲れ切りながらもゴールラインを超えた瞬間、エストニアンの粘り強さ・忍耐力を垣間見た気がしました。
 
美しい自然と永い歴史に育まれた趣のある街並み、そして世界最先端のデジタル技術、続々と産まれるユニコーン企業、何とも不思議な魅力を醸し出しているこの国の奥底を探りながら、私自身もエストニアでの生活を楽しみたいと思っております。
 
最後になりますが、在留邦人の皆様、皆様が安心して日々の生活を送ることができますよう、大使館員一同努力して参りますので宜しくお願い致します。
 
駐エストニア共和国日本国特命全権大使
松村之彦
松村大使とカリス大統領
カリス大統領との意見交換