エストニア政治・経済月間情報
平成28年12月12日
2015年9月のエストニア月間情勢
ポイント
- 内政面では,14日,国会秋会期が開幕し,社民党所属の新大臣3名(オシノフスキー保健労働大臣,ハンソ国防大臣,オヴィール企業大臣)が宣誓して正式に就任。
- エストニア・ロシア関係では,26日,ロシアに拘束されていたエストニア保安警察官が1年ぶりに解放され,エストニアに帰還。翌27日,エストニア・ロシア外相会談開催(於:ニューヨーク)。
本文
1 内政・国内経済
- 1日,農務省,地域問題省(Ministry of Rural Affairs)に名称変更。
- 2日,タリンナ・サダム社(国有港湾),過去15年間,与党改革党に多額の献金を行っていたとの報道。エストニアでは与党が国会議員等を国有企業監査役会に送り込んでいるという背景がある。
- 2日,イルヴェス大統領がダニに噛まれて感染するライム病と診断されたが,支障なく日々の公務を続けている旨の報道。
- 3日,難民申請者収容センター(西ヴィル県)の外壁が燃える火災。放火の疑い。
- 9日,サヴィサール中央党党首,11月の党大会での党首選挙に立候補を表明。
- 11日,イルヴェス大統領,アルティ・ヒルプス新駐露大使を任命。
- 14日,国会秋会期開幕。同日,イルヴェス大統領に任命された社民党所属の新大臣3名(オシノフスキー保健労働大臣,ハンソ国防大臣,オヴィール企業大臣)が国会で宣誓して就任。ミクセル前国防大臣とパロ前企業大臣は国会議員に戻る。
- 16日,財務省,夏季経済予測を発表。成長率:本年+1.7%,来年+2.6%。賃金:本年+4.8%,来年+4.5%,物価:本年-0.3%,来年+2%。
- 21~24日,サイバー防衛訓練「Siil(ハリネズミ)2015」(於:タリン)。
- 22日,サヴィサール・タリン市長(中央党党首),カッロ同市議会議長,ビジネスマン4人が,贈収賄の容疑。
- 23日,ポスティメース紙のパユラ編集長,就任初日に辞職。前任のコプリ社長が編集長を兼任へ。
- 24日,ロシア鉄道監督機関,ロシアでの貨物車脱線事故を理由に10月からエストニアのEVRカーゴ社(鉄道貨物輸送)で今年修理された貨物車のロシアでの使用を禁止。
- 24日,エレリング社(国有送電),ラトビアItera Latvija社(ガス)から
Vorguteenus Valdus社(送ガス)株式の10%を540万ユーロで買収。同社の99.1%の株式を保有。 - 26日,9月の政党支持率世論調査(Turu-uuringute社調査):中央党29%,改革党21%,社民党15%,自由党11%,祖国共和同盟9%,保守人民党6%。
- 28日,公共放送ロシア語テレビチャンネルETV+,放送開始。
- 28日,政府,2016年国家予算案を承認。歳入88億ユーロ,歳出89億ユーロ。
- 30日,富豪ランキング(アリパエヴ紙):1位TransferWise社(電子送金)共同創業者のクリスト・カールマン氏(資産2億3,400万ユーロ)。
- 30日,サヴィサール・タリン市長,収賄容疑のため裁判所命令で市長職停止。ターヴィ・アース副市長が市長代理に。
2 外交・その他対外関係
- 1~5日,ネストル国会議長,列国議会同盟(IPU)世界議長会議に出席(於:ニューヨーク)。現地のエストニア名誉領事やエストニア人コミュニティーと面談。
- 2日,カリユランド外務大臣,北欧・バルト8か国(NB8)外相会合に出席(於:コペンハーゲン)。
- 4日,カリユランド外務大臣,EU外相非公式会合に出席(於:ルクセンブルク)。
- 4日,1年前にロシア国境で拘束されたエストニア保安警察官,有罪判決確定。
- 4日,ロシア当局,2007年にタリンで発生した兵士銅像を巡る騒乱でロシア国民が 殺害された事件の捜査を開始。
- 9日,ユンケル欧州委員長,EU各国の難民受け入れ人数を提案。エストニアは以前決 まっていた150人に加えて373人を受け入れ。
- 9~11日,エストニア国会外務委員会,ヨルダン難民キャンプを視察。
- 10日,欧州議会,エストニア保安警察官の解放をロシアに呼びかける決議を採択。
- 14~15日,デンプシー米統合参謀本部議長,エストニア訪問。
- 15日,ジルベール・サボヤ・スンエ・アンドラ外務大臣,エストニア訪問。カリユランド外務大臣やセステル財務大臣と会談。
- 17日,エストニアの記者2人,ウクライナのブラックリスト(資産凍結・入国禁止,計500人)に掲載。
- 22日,イルヴェス大統領,欧州の将来及び教育に関するアライオロス会議に出席(於:ドイツ)。欧州理事会に出席しない欧州元首の会合。
- 23~24日,ロイヴァス首相,難民問題に関する欧州理事会臨時会合に出席(於:ブリュッセル)。
- 23~24日,カリユランド外務大臣,フィンランド訪問。ニーニスト大統領,ソイニ外務大臣らと会談。
- 23~10月3日,イルヴェス大統領,第70回国連総会及び関連行事に出席(於:ニューヨーク)。
- 24~10月1日,カリユランド外務大臣,国連総会関連行事に出席(於:ニューヨーク)。27日,保安警察官拘束や国境条約に関してラブロフ・ロシア外務大臣と会談。
- 25日,バルトロメオ・ルクセンブルク議長,エストニア訪問。ネストル議長やロイヴァス首相と会談。
- 26日,ロシアに拘束されていたエストニア保安警察官,ロシアのスパイであった元保安警察官との交換で1年ぶりに解放され,エストニアに帰還。
3 経済関係統計
- 2014年政府予算収支(修正値):+0.8%,債務(同):GDP比10.4%。
- 第2四半期GDP成長率:前年同期比+2%。
- 7月輸出:前年同月比-6%の9億ユーロ,輸入:同-4%の11億ユーロ。
- 8月消費者物価指数:前年同月比-0.3%。
- 第2四半期平均賃金:前年同期比+5.8%の1,082ユーロ。
- 2014年10月男女賃金格差:23.3%。前年比-1.5%。
※ 本ページは、エストニアの政治・経済情勢を中心に各種報道・発表を取りまとめたものですので、記載事項の信憑性まで確認したものではありません。また、在エストニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するものでもありません。