エストニア政治・経済月間情報
2016年3月のエストニア月間情勢
ポイント
- 日・エストニア関係では,9日,柳沢大使がイルヴェス大統領に信任状を捧呈。16日,エストニア外交政策研究所が藤崎前駐米大使の講演会を開催(於:タリン)。
- 外交関係では,29日,EU移住プログラムに基づく最初の難民7人が,ギリシャからエストニアへ到着。
本文
1 内政・国内経済
- 3日,政府,ナルヴァ市で出張閣議。東ヴィル県の雇用対策のためオイルシェール関連の環境税引き下げや再雇用支援策を決定。
- 3日,保安警察,調達に関する汚職の疑いでTallinna Sadam社(国有港湾)の部長を拘束。
- 8日,移民に関する世論調査(トーム欧州議員発注,Saar Poll社調査):隣人に難民を望まない74%(エストニア人71%,非エストニア人82%)。
- 9日,国防省情報局,報告書「国際安全保障とエストニア2016」を発表。ロシア政府の政策がバルト海地域の軍事的安全保障を脅かす唯一の要因。
- 9日,ソ連によるタリン住宅地区の「3月空爆」72周年追悼記念日。
- 14日,スウェーデン投資ファンド,エストニアのStarman社(ケーブルテレビ)株式の62%を米投資ファンドに売却する旨発表。
- 16日,T-Group社(バスチケット販売),仏Transdev社(バス運行)とチケット販売システム提供に関して契約。
- 22日,警察,ブリュッセルでの連続テロ事件を受け,タリンの空港,港湾,鉄道駅での警備を強化。保安警察庁長官は,エストニアの危険度は低いままである旨発言。
- 23日,国会の中央党グループ,シムソン代表を僅差で再選。党役員会はサヴィサール党首派のカリライド議員を代表候補に選出しており,中央党議員はサヴィサール党首派とシムソン派に分裂。
- 24日,ソ連による1949年「3月国外追放」の追悼記念日。約2万人の市民がシベリアへ。
- 26日,3月政党支持率世論調査(Tulu-uuringute社):中央党25%,改革党23%,社民党13%,保守人民党13%,自由党12%,祖国共和同盟8%。
- 29日,3月大統領候補支持率(Turu-uuringute社):1位カリユランド外相31%,2位サヴィサール中央党党首15%,3位カッラス前欧州委員10%,タランド欧州議員10%。
- 29日,EU移住プログラムに基づく最初の難民7人,ギリシャからエストニアへ到着。イラク人一家5人とシリア人男性,イエメン人男性。
- 29日,LHV Group社(銀行),5月に新規株式公開を実施する旨発表。
2 外交・その他対外関係
- 2日,クチンスキス・ラトビア首相,エストニア訪問。ロイヴァス首相とNATOワルシャワ首脳会合等に関して会談。
- 7日,ロイヴァス首相,欧州理事会臨時会合に出席(於:ブリュッセル)。トルコと難民危機対策に関して協議。
- 8日,カリユランド外相,訪米。ケリー国務長官とシリア情勢に関して会談。
- 9日,柳沢大使,イルヴェス大統領に信任状を捧呈。
- 12日,イルヴェス大統領,フィンランド訪問。安全保障に関してニーニスト大統領と会談したほか,ヘルシンキ大学で講演。
- 14日,カリユランド外相,対露,イラン関係に関するEU外務理事会会合に出席(於:ブリュッセル)。
- 15日,国会,ロシアにウクライナ人パイロットのサフチェンコ氏の解放を求める声明を採択。
- 16日,エストニア外交政策研究所,藤崎前駐米大使の講演会を開催(於:タリン)。
- 16~17日,カリユランド外相,ハンガリー訪問。シーヤールトー外相と外務省間の協力メモランダムに署名。
- 17~18日,ロイヴァス首相,難民対策に関してトルコと合意した欧州理事会会合に出席(於:ブリュッセル)。
- 18日,バルト三国とスウェーデン,フィンランド,デンマークの外相,クリミア併合2周年に合わせてウクライナの領土的一体性を支持する共同声明を発表。
- 19日,元ロシア民族相で民族学者のティシュコフ氏,タリン大学の会議に参加する予定であったが,エストニア査証を取得できず。
- 21~23日,イルヴェス大統領夫妻,クロアチア訪問。グラバル=キタロビッチ大統領,オレシュコビッチ首相,レイネル議長とクロアチアのシェンゲン,ユーロ圏加入に関して会談。カリユランド外相,ペフクル内相,オヴィール企業相,テラス国防軍司令官,経済代表団が同行。
- 21~25日,ロイヴァス首相,訪米。ライアン下院議長と安全保障に関して会談したほか,ハーバード大で講演し,ジョージア州の基地を視察。
- 28日,ロシア軍用機,エストニア領空を侵犯。外務省が当地ロシア大使館に抗議。
- 28~4月1日,ハンソ国防相,訪米。カーター国防長官とエストニアの安全保障やサイバー防衛に関して会談。
- 29日,NATO欧州連合軍最高司令部のブリードラブ司令官,離任前の加盟国訪問の一環でエストニア訪問。テラス国防軍司令官と会談したほか,イルヴェス大統領から勲章を授与。
3 経済関係統計
- 2015年GDP:前年比+1.1%。6年間で最低。
- 2015年財政収支(速報値):+0.4%。GDP比債務:9.7%。
- 1月輸出:前年同月比-11%の8億ユーロ,輸入:同+2%の10億ユーロ。
- 2月消費者物価指数:前年同月比-0.5%。電気,ガス,暖房価格低下が最も影響。
- 2015年平均賃金:前年比+6%の1,065ユーロ。第4四半期平均賃金:前年同期比+6.4%の1,105ユーロ。
- 2014年男女賃金格差(ユーロスタット):エストニア28.3%(EU最大),EU平均16.1%。
- 2015年企業利益:前年比-8%の30億ユーロ。
※ 本ページは、エストニアの政治・経済情勢を中心に各種報道・発表を取りまとめたものですので、記載事項の信憑性まで確認したものではありません。また、在エストニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するものでもありません。