エストニア政治・経済月間情報
2015年2月のエストニア月間情勢
ポイント
- 内政面では,国政選挙直前の政党支持率の調査結果が発表され,改革党(政権与党)と中央党の支持率がほぼ拮抗している点及び小規模政党(自由党,保守人民党)の支持率が議席獲得の足切り基準(5%)を上回っている点が注目された。
- また,内政面では,24日,エストニア独立97周年記念を迎え,ナルヴァ市(対露国境に近い第3の都市)で式典が開催された。
- 日・エストニア経済関係では,13日,経済通信省が当地乳製品企業と日本の丸紅との脱脂粉乳及びチーズの販売契約署名につき発表。
- 経済関係統計では,エストニア中央銀行による昨年の日本からエストニアへの旅行件数が発表され,7万9,111件で対前年比47%増であった。また,2014年第4四半期平均賃金は初めて1000ユーロを超え,前年同期比+5.3%の1,039ユーロとなった。
本文
1 内政・国内経済
- 2日,タルトゥ和平条約95周年記念日。各地で記念行事を開催。
- 4日,イルヴェス大統領,99人への叙勲を決定。カッラス元欧州委副委員長,アンシプ元首相,テデル行政監察官,ビルト・スウェーデン元首相等。
- 5日,ベラルーシ政治難民のパーヴェル・モロゾフ氏とロシア人音楽批評家のアルテム・トロイツキー氏,エストニアで各国ロシア語住民向けの独立メディアARU TVを立ち上げ 。
- 7日,ヤナ・トーム欧州議員(中央党),欧州議会リベラルグループの資金でロシア語少数民族や欧州東部国境に関する会議「東ヴィル県:欧州の門」を開催(於:ナルヴァ市)。
- 8日,1月政党支持率世論調査(Turu-uuringute AS社調査):中央党26%,改革党22%,社民党16%,祖国共和同盟15%,自由党6%,保守人民党6%。
- 10日,SEB銀行本年成長予測:+1.8%。
- 10日,UPインヴェスト社,アポロ社(書籍販売)の半数の株式を取得する旨発表。
- 11日,国会,新国防法案を可決。従来の平時国防法,戦時国防法,国際軍事協力法を統合し,有事に効果的に対応する狙い。
- 11日,国会,地方議会選挙の投票年齢を16歳に引き下げる改正案を承認。改正には次期国会の承認も必要。
- 11日,統一の電話番号(112番)で救急,消防,警察への通報受付を開始(EUで9番目)。
- 12日,国による電子サービス満足度:前年比+4%の71%。デジタル処方箋に最高評価。
- 13日,経済通信省,当地乳製品企業が日本の丸紅と脱脂粉乳及びチーズの販売契約に署名した旨発表。
- 13日,ロシアによる制裁対策としての欧州委員会によるバルト諸国への特別補助金,エストニアの牛乳生産者720団体に計690万ユーロ支払い。
- 17日,国会,新排出権取引スキームを承認。運輸,農業分野も対象に。
- 18日,国会,医薬品店開業を規制する法改正。薬剤師が50%以上の株式を保有することが条件に。
- 18日,国会,SMSローン(携帯電話メール等による消費者金融)規制の法改正。
- 19日,第12回国会,閉会。
- 19日,2月政党支持率(TNSエモル社調査):改革党23%,中央党22%,社民党20%,祖国共和党14%,自由党9%,保守人民党9%。
- 24日,エストニア独立97周年記念日。ナルヴァ市(対露国境に近い第3の都市)で式典開催。
- 25日,祖国共和同盟党員,共和党時代の党内選挙の票操作や闇献金について告白。
- 25日,競争力ランキング(世界経済フォーラム):1位スイス,29位エストニア(当館注:昨年順位と変わらず)。
- 26日,ヘルム国税庁長官,社用車の利用の妥当性に関する検査等に対する批判を受けて辞任表明。
- 26日,EU,加盟国経済に関する報告書を発表。エストニアに関しては,成長を促進する税制,労働力の減少,高めの労働力関連税,貧困のリスク等を指摘。
2 外交・その他対外関係
- 2~5日,スリング貿易企業大臣,訪仏。経済代表団が同行。4日,欧州宇宙機関(ESA)加盟条約に署名。
- 3日,ティーマーマンス欧州委副委員長,エストニア訪問。ロイヴァス首相と会談。
- 3日,ツェラル・スロベニア首相,エストニア訪問。ロイヴァス首相と会談。
- 3日,グロウジニエネ・リトアニア国会議長,エストニア訪問。ネストル議長と会談。
- 3~4日,バルト・ベネルクス外相会合(於:タリン)。
- 5日,ミクセル国防大臣,即応部隊の強化に関するNATO国防大臣会合に出席(於:ブリュッセル)。ブルガリア,バルト三国,ポーランド,ルーマニアへの40人規模の指揮所(NFIU)設置も決定。
- 6~8日,イルヴェス大統領とペントゥス=ロシマヌス外務大臣,ミュンヘン安全保障会議に出席。
- 9日,ペントゥス=ロシマヌス外務大臣,リビア情勢やアフリカの安全保障状況に関する閣僚理事会に出席(於:ブリュッセル)。
- 11~14日,ロイヴァス首相,ベルギー,ルクセンブルグ訪問。欧州理事会非公式会合に出席したほか,NATO欧州連合軍最高司令部(SHAPE)でブリードラヴ大将と会談,ルクセンブルクでベッテル首相と会談。
- 11日,タリン・ヘルシンキ・トンネルの採算性調査の予備調査結果公表(於:ヘルシンキ)。工費90~130億ユーロ,採算年数35~40年。
- 12日,国会外交政策審議。ペントゥス=ロシマヌス外務大臣らが演説。
- 18日,ミクセル国防大臣,EU国防大臣非公式会合に出席(於:リガ)。
- 18日,国会,国連レバノン平和監視ミッションへの最大50人の兵士派遣を承認。
- 19日,政府,同盟国のプレゼンス恒久化のためインフラ整備や訓練条件の改善に5年間で4,000万ユーロを支出する案を閣議で承認。
- 23日,ハモンド英外務大臣,エストニア訪問。ペントゥス=ロシマヌス外務大臣と会談。
- 27日,国会EU委員会,EUによるギリシャ支援プログラムを承認。
3 経済関係統計
- 2014年第4四半期GDP(速報値):前年同期比+2.7%。
- 2014年GDP(速報値):前年比+1.8%。
- 2014年12月輸出:前年同月比+3%の9億ユーロ,輸入:同+9%の11億ユーロ。
- 2014年輸出:前年比-2%の121億ユーロ,輸入:同-1%の137億ユーロ。
- 1月消費者物価指数:前年同月比-1.3%。燃料や食品の価格低下が影響して過去5年間で最大の低下。スウェドバンク銀行や財務省は本年後半の上昇を予想。
- 2014年第4四半期平均賃金:前年同期比+5.3%の1,039ユーロ。
- 2014年失業率:7.4%。
- 2014年宿泊者数:前年比+4%の308万7,070人。
- 2014年の日本からエストニアへの旅行件数(エストニア中央銀行):7万9,111件。
(前年比47%増) - 2014年エストニア企業建設額(海外含む):前年比-3%の21億ユーロ。
※ 本ページは、エストニアの政治・経済情勢を中心に各種報道・発表を取りまとめたものですので、記載事項の信憑性まで確認したものではありません。また、在エストニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するものでもありません。