エストニア政治・経済月間情報
2014年10月のエストニア月間情勢
ポイント
- 内政面では,23日,リギ財務大臣(改革党)が辞任を表明し,後任としてマリス・ラウリ首相顧問が就任。
- 経済面では,「電子居住権(E-レジデンシー)」法案が可決。また,バルト三国間でレール・バルティックの共同企業設立に関する契約が署名。
- 外交面では,7日,欧州議会委員会がアンシプ欧州委員候補をデジタル・アジェンダ担当の副委員長に承認。17日,ロイヴァス首相が,ミラノでEU・アジア首脳会談の際に開催された北欧・バルト諸国(NB8)と日本の首脳会談に安倍総理と共に出席し,議長を務めた。
本文
1 内政・国内経済
- 1日,エースティ・エネルギア社(国有電力公社),ヨルダン政府とオイルシェール発電所に関する契約に署名。2019年完成予定。
- 1日,ケルト国防省顧問とラーネオッツ氏(いずれも元国防軍司令官),改革党に入党。
- 2日,ラタス中央党役員,来年3月の国会選挙の同党首相候補にシムソン副党首を推薦。
- 7日,自由党,正式に政党登録。ヘルケル国会議員が党首に就任。
- 7日,VKG社,シェール・オイル生産工場を新設。ロイヴァス首相が視察。
- 9日,国会,共同生活法案を僅差で可決。結婚しないカップルの権利を法的に保護。同性同士も登録可。当地オーストリア,英,米,スペイン,オランダ大使館は同法の採択を歓迎する共同声明を発出。
- 10日,最高裁,保安警察年鑑のヤナ・トーム・タリン副市長(当時。現欧州議員)に関する記述の削除を命じた判決に対する保安警察の上訴を棄却。トーム氏がロシア語教育継続を市議会に申請するようにタリンのロシア語学校に圧力をかけたという記述が問題とされた。
- 12日,中央党役員会,来年3月の国会選挙に際して,サヴィサール党首を同党首相候補に決定。
- 13日,レイナタッム議員(改革党),病死。指揮者,コメディアンとして活躍。インナル・マエサル・ラーネ県知事が15日に代理として議員就任。
- 14日,タリン港社(国有港湾),10年間の連絡船運航事業を入札で受注。
- 14日,エストニア雇用者連盟,マニフェストを公表。教育や労働市場に関して提案。
- 17日,ハリュ裁判所,中央党のトーバル幹事長(議員),ラーシ議員,元タリン市職員のオンクシオン氏に対して,中央党の通信の自由を侵害した等の罪で有罪判決。両議員は上訴の方針。被疑者は元社民党員(現在エストニアEU代表部大使)の電子メールを不正に入手した疑い。
- 18日,10月政党支持率(Emor社):政党名回答者のうち改革党27%,中央党27%,社民党19%,祖国共和同盟16%。
- 21日,エストニア国会において,外国人等の非居住者によるエストニアの各種電子サービス利用を可能とするいわゆる「電子居住権(E-レジデンシー)改正法案」を可決。
- 23日,リギ財務大臣(改革党),フェイスブックでオシノフスキー教育科学大臣(社民党)を侮辱。イルヴェス大統領,社民党(連立与党),野党から非難の声。
- 26日,リギ財務大臣,辞任表明。
- 27日,改革党,リギ財務大臣の後任にマリス・ラウリ首相経済担当顧問を指名することを決定。
- 27日,パエト外相,欧州委員に就任するアンシプ欧州議員の後任にはならず,外相職を続ける旨発表。
- 27日,南部ヴィリアンディ市の学校で生徒が教師を射殺。国内初の学校銃撃事件。
- 28日,パロ経済大臣,バルト三国間でレール・バルティック共同企業設立に関する契約に署名(於:リガ)。
- 29日,Tallink社(フェリー運航)の親会社,国が大株主のエストニア航空買収の方針。
- 31日,ラヴリー・ペリング検察庁長官就任。同庁生え抜きの女性検察官。
- 31日,祖国共和同盟のクロス副党首とアレンデル・タリン市議,改革党へ移籍。
2 外交・その他対外関係
- 1日,ミクセル国防大臣とオランダ国防大臣,装甲車CV90の44台調達に関する協力協定に署名。2016~18年に引き渡される予定。
- 7日,欧州議会委員会,聴聞会に臨んだアンシプ欧州委員候補をデジタル・アジェンダ担当の副委員長として承認。
- 8日,米第1騎兵師団第7騎兵連隊大隊(150人),ミクセル国防大臣他の前で歩兵戦闘車等の実演。米空挺部隊に代わって10月から駐留。
- 9日,エストニア政府,グアンタナモ収容者1人の受け入れを決定。
- 14日,イルヴェス大統領,ブリュッセル訪問。新旧欧州委員や欧州議員と会合。
- 15日,ロイヴァス首相,EU・アジア首脳会合(ASEM)に出席(於:ミラノ)。
- 17日,ロイヴァス首相,ミラノで開催された北欧・バルト諸国(NB8)と日本の首脳会談に安倍総理と共に出席し,議長を務める。
- 20日,パエト外相,EU外相会合に出席(於:ルクセンブルク)。
- 21日,ロヴェーン・スウェーデン首相,エストニア訪問。ロイヴァス首相と会合。
- 21日,ロシア偵察機,エストニア領空を侵犯。エストニア外務省はロシア大使に抗議。ロシア国防省は侵犯を否定。
- 22~24日,ロイヴァス首相,欧州理事会会合に出席(於:ブリュッセル)。
- 23日,パエト外務大臣,バルト議員会議及びバルト閣僚理事会合同会議に出席(於:タリン)。
- 23日,エルドアン・トルコ大統領,エストニア訪問。イルヴェス大統領,ネストル国会議長,パエト外相と会合。
- エストニア外務省,エボラ対策のため国連人道問題調整事務所(OCHA)西・中央アフリカ事務所に23万ユーロ拠出。
- 27日,スリング貿易企業大臣,リトアニア訪問。LNGターミナル船のオープニングセレモニーに出席。
- 28日,パエト外務大臣,国連安全保障理事会会合に出席。
- 28~29日,ヴィクトリア・スウェーデン皇太子夫妻,エストニア訪問。イルヴェス大統領やロイヴァス首相と会合。
- 29日,エストニア,国連経済社会理事国(2015~17年)に選出。
3 経済関係統計
- 8月輸出:前年同月比-3%の10億ユーロ,輸入:同-6%の11億ユーロ。
- 9月消費者物価指数:前年同月比-0.6%。
※ 本ページは、エストニアの政治・経済情勢を中心に各種報道・発表を取りまとめたものですので、記載事項の信憑性まで確認したものではありません。また、在エストニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するものでもありません。