エストニア政治・経済月間情報
2014年9月のエストニア月間情勢
ポイント
- 内政面では,連立与党である社民党の支持率が漸減(中央党以下の水準に低下)。来年3月の国政選挙に向けて,新政党設立などの動きが表れた。
- 経済面では,財務省,中央銀行ともに,来年の経済成長を+2.5%と予測。また,30日,欧州委員会が,エストニア,フィンランドの企業による地域LNGターミナル建設の補助金申請を却下。
- 外交面では,3日,オバマ米大統領が,NATOウェールズ首脳会合出席前にエストニアを訪問し,NATOによる集団防衛の意思を強調。NATO首脳会合では,合同の即応部隊創設。エストニアへのNATOサイバー訓練場の設置等が表明された。5日,エストニア保安警察官が対露国境付近で拘束され,ロシア側へ連れ去られる事件が発生。また,25日,中国外務省がエストニアとの関係正常化につき発表。
本文
1 内政・国内経済
- 1日,財務省経済予測:本年成長率+0.5%,来年+2.5%
- 2日,フィンランド系Fazer社(製パン),2015年4月にエストニア工場を閉鎖し,ラトビア及びリトアニアに生産を移転する旨発表。約95人を解雇。
- 3日,競争力ランキング(世界経済フォーラム):144ヶ国中1位スイス,29位エストニア。
- 4日,オユランド元欧州議員による新党「国民統一党」,正式に登録。
- 8日,国会秋期会期開会。イルヴェス大統領がロシアを批判する演説。
- 8日,リーサル議員,中央党を離党して祖国共和同盟に入党。
- 8日,アフリカ豚コレラ,南部の野生の豚に国内初の感染を確認。
- 19日,9月政党支持率(Emor社):政党名回答者のうち改革党27%、中央党26%、社民党23%、祖国共和同盟18%。
- 20日,新党自由党,元祖国共和同盟のアンドレス・ヘルケル氏を党首に選出。
- 21日,祖国共和同盟,パルツ元首相を来年の国会選挙の同党首相候補に決定。
- 23日,エストニア国民による信頼度調査:救助庁96%,政府54%,首相54%,政党32%。
- 23日,政府,2015年国家予算案を承認。歳入84.5億ユーロ,歳出85.4億ユーロ。
- 23日,中央銀行成長率予測(修正値):本年+2.1%,来年+2.5%。
- 30日,欧州委員会が,エストニア,フィンランド企業による地域LNGターミナル建設の補助金申請を却下。
2 外交・その他対外関係
- 2日,イルヴェス大統領,ノルウェー訪問。ハラルド5世国王,ソールベルグ首相,トンメセン議長らと会合。ティードゥス文化大臣やスリング貿易企業大臣が同行。
- 3日,オバマ米大統領,NATOウェールズ首脳会合への出席前にエストニアを訪問。イルヴェス大統領,ロイヴァス首相,バルト三国大統領とそれぞれ会談。NATOによる集団防衛の意思を強調し,継続的なプレゼンスにつき表明。
- 4~5日,ロイヴァス首相,パエト外務大臣,ミクセル国防大臣,テラス国防軍司令官,NATOウェールズ首脳会合に出席。エストニアにおける同盟国のプレゼンス継続を承認。ミクセル国防大臣は,英国主導の7カ国による合同の即応部隊の創設に関する協定とエストニアへのNATOサイバー訓練場設置に関するメモランダムに署名。
- 5日,エストニア保安警察官が,対露国境付近で公務中に拘束され,ロシア側へ連れ去られる事件が発生。
- 9日,パエト外相,スペイン訪問。ガルシア=マルガージョ外相とNATO及び国連での協力や欧州の安全保障状況に関して協議。
- 10日,ヤーク・レンズメント新駐日エストニア大使が天皇陛下に信任状を捧呈。
- 10~11日,イルヴェス大統領,ウクライナ訪問。ポロシェンコ大統領,ヤツェニューク首相,クリムキン外相と会談。
- 10日,ネストル国会議長,欧州各国議長会合に出席(於:オスロ)。
- 10日,アンシプ前首相,デジタル市場担当の欧州委員会副委員長候補に指名。
- 11~12日,NB8外相会合(於:タリン)。
- 10~12日,米国務省報道官,英国政府,EU,NB8諸国外相等が,エストニア保安警察官の解放をロシアに呼びかける声明等を発表。
- 16日,イルヴェス大統領夫人,WHO年次地域会議にエストニア代表として出席(於:コペンハーゲン)。
- 20,21日,エストニア外務省,世界食糧計画のシリア人道支援に5万ユーロ,国連のエボラ対策基金に4万ユーロを拠出。
- 19~26日,イルヴェス大統領,第69回国連総会に出席(於:ニューヨーク)。
- 21日,在エストニア・ロシア大使館前でウクライナや拘束されたエストニア保安警察官を支援するデモ。
- 23日,パエト外相,国連総会の枠組みで開催されたEU外相会合に出席(於:米国)。
- 25日,年次バルト防衛会議(ABCD,於:タリン)。パロメロNATO変革連合軍最高司令官らが出席。
- 25日,中国外務省,中国が3年前のダライ・ラマ訪問に関するエストニア政府の謝罪を受入れ,政治関係が再度正常化した旨発表。
- 30日,国際航空演習Baltic Region Training Events(於:エストニア)。ポルトガル,ドイツ,カナダ,オランダ,フィンランド,スウェーデンの空軍が参加。
3 経済関係統計
- 2013年予算収支:-0.5%,政府債務:GDP比10.1%
- 第2四半期GDP:前年同期比+2.4%。
- 7月輸出:前年同月比+6%の10億ユーロ,前年同月比+0%の11億ユーロ。
- 8月消費者物価指数:前年同月比-0.7%。商品-0.7%,サービス-0.8%。
※ 本ページは、エストニアの政治・経済情勢を中心に各種報道・発表を取りまとめたものですので、記載事項の信憑性まで確認したものではありません。また、在エストニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するものでもありません。