エストニア政治・経済月間情報
2014年6月のエストニア月間情勢
ポイント
- 内政面では,カッラス欧州委員が任期終了後に政界を引退する旨表明。
- 経済面では,第1四半期にマイナス成長(-1.4%)となり,中央銀行は本年成長予測を+0.7%に下方修正した。また,地域LNGターミナル計画に関し,欧州委がエストニアとフィンランドの両方にターミナルを建設する案を却下し,建設地に関する検討が振り出しに戻った。
- 外交面では,24~28日,オシノフスキ教育科学相がOECD教育相会合に出席のため訪日し,下村文科相や青少年国際交流推進センター事務局長と会談した。また,仏,英,チェコがNATOサイバー防衛協力センターに加盟し,加盟国が14か国に。
本文
1 内政・国内経済
- 4日,イルヴェス大統領,医薬品店出店規制緩和に1年の猶予期間を設ける法改正を公布。
- 5日,フィンランドFortum社(エネルギー),ドイツE.ON社(同)の持ち分を取得して,エストニアEesti Gaas社(ガス)の筆頭株主になったとの報道。
- 11日,エストニア中央銀行,本年成長予測を+0.7%に引き下げ。
- 12日,政府,三菱商事との排出権取引による電気自動車購入補助制度の期限を2015年末まで1年間延長。(当館注:その後,同補助金の申請手続は8月7日に終了することとされた。)
- 13日,6月政党支持率(Emor社):政党名回答者のうち改革党31%、社民党25%、中央党24%、祖国共和同盟14%。
- 14日,1941年6月のソ連による1万人以上のシベリア追放に関する追悼行事。
- 18日,カッラス欧州委員,フィンランド紙インタビューで任期後の政界引退に言及。
- 18日,ソ連崩壊後にエストニア企業口座がロシアで凍結された問題で,国会調査委員会が最終報告書を発表。
- 18日,欧州委,エストニアとフィンランドの両方にLNGターミナルを建設する案を却下。
- 19日,国会,大臣ポストの名称を変更する法案を可決。パロ経済通信大臣は経済インフラ大臣,スリング大臣は貿易企業大臣に。
- 19日,英Smartmatic社とエストニアCybernetica社,タルトゥ市に電子投票研究開発センターを設立する旨発表。
- 23日,戦勝記念日パレード(於:ヴァルガ市)。
- 26日,Eesti Energia社(電力),子会社(送電線建設)をドイツ企業に売却。
- 27日,ペントゥス=ロシマヌス環境相の父親の運輸会社(Autorollo社)倒産に関する民事訴訟、弁護士のローデ氏、同氏と環境相の夫のロシマヌス氏が所有する会社に対して14万ユーロの支払いを命ずる判決。
- 29日,ヨルダン政府,Eesti Energia社によるオイルシェール発電所建設を承認。
- 30日,最高裁,国有地交換を巡る収賄事件でレイリアン元環境相(元人民党),トゥイクソー元農務相(中央党),実業家らに執行猶予付きの有罪判決。
2 外交・その他対外関係
- 3日,イルヴェス大統領,米・中東欧首脳会合に出席(於:ポーランド)。
- 3日,パエト外相,ポーランド訪問。シコルスキ外相と会合。
- 3日,ロイヴァス首相,バルト閣僚理事会に出席(於:フィンランド)。
- 3日,NATOサイバー防衛協力センター,仏,英,チェコが加盟して加盟国14カ国に。
- 3日,サイバー安全に関する日,米,EU,イスラエル国際戦略対話(於:タリン)。
- 3日,3~4日,ミクセル国防相,東欧防衛等に関するNATO国防相会合に出席(於:ブリュッセル)。ドイツが9月1日より戦闘機4機をアマリ基地に派遣する旨発表。
- 3日,欧州委,各加盟国に対する年次勧告を発表。エストニアには財務,雇用,教育,エネルギー経済,地方自治体の業務効率に関して勧告。
- 6~11日,スリング貿易相,訪中。中国と東欧諸国の貿易相会議に出席。
- 9~13日,テラス国防軍司令官,訪米。デンプシー統合参謀本部議長らと会談。
- 10日,パエト外相,EU・アラブ連合閣僚会合に出席(於:アテネ)。
- 11,12日,ロシア軍用輸送機,エストニア領空を侵犯。
- 12日,ネストル国会議長,フィンランド訪問。大統領や議長と会談。
- 16~17日,パエト外相,独・バルト外相会合に出席(於:タリン)。
- 18~20日,ロイヴァス首相,英国及びドイツ訪問。両国首相と会談。
- 21日,バルト諸国首相,バローゾ欧州委員長とタリンで会談。
- 24~28日,オシノフスキ教育科学相,訪日。OECD教育大臣非公式会合に出席し,日本の下村文部科学大臣や青少年国際交流推進センター事務局長と会談。
- 26~27日,ロイヴァス首相,欧州理事会会合に出席(於:ブリュッセル)。
- 27日,パエト外相,ポルトガル訪問。Rui Machete外相と両国関係,ウクライナ情勢,NATO首脳会合に関して協議。
- 27日、ウクライナ分離派に拘束されたエストニア人らOSCE監視員4人、解放。
- 29日,ロイヴァス首相,欧州委員長候補にユンカー氏を指名し,ウクライナ,グルジア,モルドバとの連合協定が署名された欧州理事会会合に出席(於:ブリュッセル)。
- 30日,フィッシャー・オーストリア大統領,エストニア訪問。イルヴェス大統領やロイヴァス首相と会談。
- 30日,ストゥブ・フィンランド首相,エストニア訪問。ロイヴァス首相と会談。
3 経済関係統計
- 第1四半期GDP(修正値):前年同期比-1.4%。
- 4月輸出:前年同月比-5%の10億ユーロ,輸入:同-4%の12億ユーロ。
- 2013年平均賃金:前年比+7%の949ユーロ。
- 5月消費者物価指数:前年同月比+0.1%。
※ 本ページは、エストニアの政治・経済情勢を中心に各種報道・発表を取りまとめたものですので、記載事項の信憑性まで確認したものではありません。また、在エストニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するものでもありません。